救急の受け付けで待たされること小1時間。
着ていた服は縦に切り裂かれ、
靴やスマホなどの私物とともに渡された。
承諾書など書類にサインをし、病室へ。
意識は戻らないまま、
全身管だらけになった夫を見て涙が溢れた。
状態の説明は夫の親族を待って行われた。
極めて厳しい状況であるが、
最善を尽くすとのことで、
取り急ぎは脳へのダメージを最小限に抑えるために
低体温療法が導入された。
そして、この日がヤマだと言われた。
自力で心臓が動かせるようにならないと
治療は先に進めないとも。
私は夫の枕元で手を握り、
名前を呼びながら語り続けた。
ねぇ、帰ろうよ。
おうちに帰ろうよ。
明日の休みはテニスするんでしょ。
この日は全豪オープンの決勝だった。
ねぇ、結局ジョコビッチが優勝だったよ。
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